あごうさとし(THEATRE E9 KYOTO)

2024.01.05

『1000年の文化芸術を創造する新たなインフラ』

2020年からのコロナ禍に直面し、民間の文化芸術施設は危機に直面しました。とりわけ、THEATRE E9 KYOTOなどの非営利型社団法人には、様々な補助金或いはコロナ特別融資などの諸救援政策の対象外となることが多く、制度の隙間に落ちるような事態もありました。そこで、私たちのメインバンクである京都信用金庫さんと、京都の芸術基盤を支える為の新たな基金創設に向けての具体的な相談をはじめさせていただいたことが、きっかけとなりました。丁度その頃、コロナ禍に対し民間文化施設がどのように乗り切ることができるか、一緒に考えませんか、と、出町座の田中誠一さんよりお声がけがあり、また、アートプロデューサーの小崎哲哉さんのご協力も加わって、現在の6つの拠点(kumagusuku、DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space、CLUB METRO、出町座、両足院、THEATRE E9 KYOTO)と京都信用金庫とで一般社団法人BASEの立ち上げに至りました。法人の立ち上げだけでは、基金の創設とはいきません。基金の設立のための資金集めと、この事業にご協力をいただける仲間集めがまずは私たちの重要な課題です。すでに、kumagusukuの矢津さんを中心とした社会人向け芸術学校BASE ART CAMPは始まっております。ここでは、社会人の方が、各拠点が専門とする芸術分野を学び、実作し、発表するというものです。芸術作品の創作を通じて、芸術に親しみ、そして、芸術がこの社会とどのように共生しうるか共に考えて頂く仲間となっていただきたいと考えています。

また、基金につきましては、今後3年間で3億円を目標に設立を計画しています。集められた基金は、運用益を京都市内の様々なアートプロジェクトや環境整備の支援に活用されます。今後の100年、1000年の文化芸術を創造する新たなインフラとなれるよう、皆様からのご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。

あごうさとし(THEATRE E9 KYOTO 芸術監督)

https://askyoto.or.jp/e9